◇ 冬晴れに豆はざ乾く風少し ◇
ちょっと色が淋しいので、まだ咲き残っている山茶花をおまけに
◇ 喪中はがき郵便受けに実南天 ◇
赤い南天の実の鮮やかさが、かえって儚さをつのらせる。
暫くそのあたりで餌をつついていたが、お食事終了という感じで、くるりと一羽が向きを変える。
一羽がくるり、それに続いてまたくるり・・・
つぎつぎと池の真ん中へ泳ぎ始める。
きらきら輝いている水面の中へ入っていこうとするかのように。
金子みすずの詩の「明るいほうへ」の一節がちらりと心をよぎる。
明るいほうへ 金子みすず
明るいほうへ、明るいほうへ
一つの葉でも 陽の洩るとこへ
藪かげの草は
明るいほうへ、明るいほうへ
はねは焦げよと 灯のあるとこへ
夜飛ぶ虫は
明るいほうへ、明るいほうへ
一分もひろく、日の射すとこへ
都会(まち)に住む子等は
◇ 水鳥や水面明るいほうへほうへ ◇
この鳥、真っ黒だけど、鵜ではなし、
名前が知りたくて、図鑑で調べてみたけれど見つからない。
黒鴨とかオオバンとかに似ているけど、やっぱり違う・・・とうとう分からずじまい。
ご無沙汰してる間に、稲刈りも秋祭りも随分前に終わり、
周りはもう冬めいた景色。
小春日に恵まれた一日、久し振りに郊外の紅葉を尋ねました。
最初に出逢ったのが樹齢六百年の大銀杏。
◇ 大銀杏黄葉まぶしみつつ仰ぐ ◇
御神樹の銀杏は金色の落ち葉を絨緞のように降り積もらせていました。
◇ 金色の落ち葉を踏んで寄る大樹 ◇
さあっと出てきたお日様に鳥居の影が濃く落ちて。
◇ 鳥居影銀杏落ち葉にくっきりと ◇
奥へ奥へと車を走らせて待望の紅葉にも出会えました。
◇ 溜息に似たる歓声紅葉山 ◇
◇ 紅葉の色極まり言葉などいらぬ ◇
もう遅いかもと思いながら出掛けたのですが、山間は精一杯の色を見せてくれた
嬉しい一日でした。
「墨汁一滴」の一節に
病める枕辺(まくらべ)に巻紙状袋(じょうぶくろ)など入れたる箱あり、その上に寒暖計を置けり。その寒暖計に小き輪飾(わかざり)をくくりつけたるは病中いささか新年をことほぐの心ながら歯朶(しだ)の枝の左右にひろごりたるさまもいとめでたし。その下に橙(だいだい)を置き橙に並びてそれと同じ大きさほどの地球儀を据(す)ゑたり。この地球儀は二十世紀の年玉なりとて鼠骨(そこつ)の贈りくれたるなり。直径三寸の地球をつくづくと見てあればいささかながら日本の国も特別に赤くそめられてあり。台湾の下には新日本と記したり。朝鮮満洲吉林(きつりん)黒竜江(こくりゅうこう)などは紫色の内にあれど北京とも天津とも書きたる処なきは余りに心細き思ひせらる。二十世紀末の地球儀はこの赤き色と紫色との如何(いか)に変りてあらんか、そは二十世紀初(はじめ)の地球儀の知る所に非(あら)ず。とにかくに状袋箱の上に並べられたる寒暖計と橙と地球儀と、これ我が病室の蓬莱(ほうらい)なり。
と記されている<地球儀>である。興味深いが見に行くのはちょっと無理。
◇ 糸瓜忌や三寸の地球と記(しる)せしよ ◇
これは我が家の地球儀、
この地球儀も三十年以上も前の物、今の世界の国境とは相当違っている。
◇ 屋根越えて連れ翔ぶ秋の揚羽かな ◇
]]>◇ こともなく厄日の鷺の並びけり ◇
]]>◇ きっぱりと咲き夕は散る紅蜀葵 ◇
]]>◇ 歯の痛み薄れてをりぬ百日紅 ◇
]]>◇ 夏草の花に埋もれて砲台跡 ◇
花の名前は分からないけど、今を盛りと咲いて
アップするとこんな花
ここは瀬戸内海国立公園に位置し、女木島、男木島、大島、豊島、小豆島など、
美しい瀬戸の島々が見渡せる場所。
海に突き出たところが長崎の鼻、ここに砲台を築いた。
◇ 万緑の島を遥かに砲台跡 ◇
先端にはその礎石が今も残る。
◇ 砲台の礎石や夏の潮騒に ◇
]]>◇ 身じろぎもせず雛守(も)るやあおばずく ◇
フクロウは俳句では冬の季語だけれど、アオバズクは夏鳥として渡来するということで、
お叱りを受けるかも知れないが、夏の季として使った。
私のカメラではこんなボケボケの写真になってしまったが、
野生のアオバズクを見たのは初めてなのでアップすることに。
◇ 蓮池に風の一亭ありにけり ◇
今にも零れ落ちそうな花びらも
◇ 風待って一片散らしそうな蓮 ◇
散った花びらがすっぽりと葉の上に
◇ 散りつくす花びら溜める蓮の葉も ◇
やっぱり白蓮は素晴しい
◇ けがれなきとはこのことよ白はちす ◇
]]>◇ 枇杷山に梯子置き去り昼餉時 ◇
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下手の横好きで長年描いてきた絵が100枚近くになっていたのを、
思い切って整理しました。
思い出にと写真に撮ってアップしたので、
よろしかったら左のメニューの油絵の画像をクリックしてのぞいてみて下さい。
◇ 田水張り終えて漣(さざなみ)生む風よ ◇
先日通りかかったら、植えたばかりの苗が風にそよいでいた。
◇ 静かなる昼を緋めだか群れ泳ぐ ◇
◇ 人影についと目高の散る早さ ◇
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前回の記事で 多夢さんから2000個目のniceをいただきました。
休み休みのブログなのにいつのまにか・・・
いつも見に来てくださる方々に感謝です。
多夢さんのリクエストにお応えしてバナーを作ってみました。
あんまり上手ではないですが。。。
◇ 青きまま落ちし楊桃(やまもも)あまたなり ◇
昨日ここを通ると、もうすっかり色づいて、赤くなった実が沢山転げ落ちていた。
最近は楊桃を捥いで食べる人もいなくなったのだろう。
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◇ 花殻積む袋を背ナに菖蒲園 ◇
業平という名前、なんとなくそんな感じ
こちらは千姫
名前は忘れたけど清楚な白い花も
◇ 花菖蒲巡る園児の声響く ◇
色とりどりに
◇ 十薬や雨後の夕べに白極む ◇
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